演奏会収録の流れ

市民会館やコンサートホールでおこなわれる演奏会を収録する場合、レコーディングのために作られた施設ではないので様々な点に注意する必要があります。

リハーサルやゲネプロをやっている最中にマイクやケーブルを持って舞台上をあちこちうろうろするわけにはいかないので、ホールに入れる時間になったらすぐに入ってリハーサルが始まる前にマイクのセッティングをおこないます。

ホール入りからリハーサルまで2時間以上開いていると余裕をもってセッティングができますが、1時間くらいしかないときはちょっと急ぎ気味にセッティングしなければいけません。同時進行で舞台設営もおこなわれている場合、ホールの舞台さんがそちらにかかりっきりになっていたりすることもあるのでその場合はより一層時間がありませんが、舞台設営が当然優先ですので落ち着いて待ちます。

事前にホールさんと電話打ち合わせした場所に録音機材一式をセットし(演奏者とのコミュニケーションが円滑にとれるよう、ケーエムワークスではなるべく下手袖に組ませていただいています)三点吊り装置に持ち込みのマイクをセット。

楽器の輪郭がぼやけずほどよくホールの響きも入る良い位置を探してセットするのですが、ベストポジションはホールによってまちまちです。

また、様々な事情でベストポジションにセットできないこともありますが(三点吊り装置の取り付けられている位置がどうやってもベストポジションに持っていけない(舞台から遠い)、ベストポジションに持っていくと照明演出に影ができてしまう、2階席から狙うカメラから被るのでもう少し上げて欲しいなどの声が上がるなどなど)その場合でも演奏会に関わる全スタッフが丸く収まる位置を探ります。一番大切なことはまずは素晴らしい演奏会の進行を妨げないことなので、絶対に邪魔にならないようにします!

ケーエムワークスにて6万円で承っているプランでは以上の三点吊りにセットしたマイクのみですが、CDのためのレコーディングの場合は舞台上にさらに何本かマイクを立てる場合があります。この場合はさらにスピード勝負です!!(アルバムが目指すサウンドの方向や、タイムスケジュールによってはCDでも同様に三点吊りのマイクのみの場合もあります)

MCやソロなどでマイクを使って演奏する場合は、その音もホールさんから送ってもらいそれもいっしょに録音します。

基本的にはコンピュータを使って録音しますが、万が一止まってしまったら大変なのでバックアップとしてレコーダーもセットします(ケーエムワークスではZOOMのF8n Proを使用しています)。演奏会が始まったらなにもないことを祈りつつ、曲の始まりと終わりの位置にマーカー(目印)を打っていき編集作業がスムーズにおこなえるようにします。別途映像業者も乗り入れしている場合、そちらにも音を送ります。

終演後はまずは下手袖に組んだ機材一式をばらしつつ、客席が完全にはけたタイミングで三点吊り装置からマイクを降ろします。終演後に記念撮影などがあって舞台上に立ち入りができない場合、撮影が落ち着くまでひたすら待ちます(笑)



なるべく簡潔にざっと書いてみましたが、実際にはホールは謎のトラブルもしばしば起こることがあり(三点吊りに吊ったマイクに謎のノイズが乗るなど)その場合はホールさんといっしょに原因究明をします。演奏会が始まってしまえばやることはもうそんなにないのですが、始まるまでが割と大忙しなのでした。

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